CFD(熱流体解析)活用支援

CFD(熱流体解析)活用支援

設計業務にCFDを有効活用していただくためのツール・支援をご提供します。

最適な解析手法を提案

CFDは現象メカニズムが複雑で、数値計算が大規模となりやすいのが特徴です。そのため、CFDを設計判断に活用する上で、計算時間と解析精度の両立を図ることが重要な課題となります。電通総研は多くの製造業のお客様の支援経験を通じて利用可能なソフトウエアラインナップも豊富なため、お客様の課題、業務環境に応じて最適なソフトウエアを選定し、最適な活用方法をご提案します。

<利用可能なソフトウエア>

  • SIEMENS:Simcenter 3D Thermal/Flow FloEFD
  • MSC Software:scFLOW STREAM
  • Altair:AcuSolve ultraFluidX nanoFluidX
  • Dassault Systems:XFlow

大規模計算環境を提供

CFDは並列計算時のスケーラビリティーが比較的出やすい解析領域のため、大規模な計算環境との親和性が高いといえます。そのため、解析結果をスピーディーに取得したい場合、オンラインHPC環境の利用が効果的なソリューションのひとつとなります。電通総研はオンラインHPCのサービスとしてRescale ScaleX Platformを提供しており、GPUを含む最新の計算リソースを完全従量制の料金体系にて利用可能です。また使用可能な流体解析ソフトウェアラインナップも豊富であり、お客様の課題に応じて最適な利用方法をご提案します。

大規模計算環境による計算時間短縮例
■SCRYU/Tetra
 ・オンプレと比較し、最大約20倍の計算速度(23.4時間⇒1.2時間)
■CONVERGE
 ・オンプレと比較し、最大約20倍の計算速度(40時間⇒2時間)

お客様の課題に対するソリューションを提供

電通総研がこれまでの経験で培ったノウハウを適用し、製品設計における機能・性能課題の解決を支援します。

機能・性能課題の例

■冷却性能 
    筐体内・電子部品冷却設計、モータ―冷却
■空力性能
  空力抵抗、空力騒音
■回転機器性能
  ファン性能、ファン騒音、タービン効率
■液体挙動
  潤滑給油、防水設計、液体噴射による洗浄力、添加粉体攪拌性能、ギア攪拌抵抗

解析実績

電子機器の冷却

CFD 電子機器冷却

近年、電子部品の小型化、集積化、高発熱化により、電子機器の冷却性能検討の難易度が高まっております。電子機器の冷却設計では、電子基板上の部品配置を検討することや、フィンなどの冷却部品の形状を検討することで、発熱部品による温度上昇が設計温度内に収まるような設計が必要になります。電通総研は設計者向けのCFDソルバーを取り扱っており、部品の配置や冷却フィンの諸元を変更した解析を簡単に実行できます。また、解析実行から結果取得までに必要な工数が少なくて済むため、設計案を効率的に比較することができます。

ファン騒音

ファン騒音は実社会で幅広く問題となる騒音の原因のひとつです。近年、自動車の電動化によってエンジン騒音がなくなることで、これまで気にならなかったその他の騒音が相対的に目立つようになり、ファン騒音も対策が必要となってきています。しかし、ノイズ発生メカニズムが複雑であること、無響室での測定コストが高いことなどから、実験的にファンの騒音レベルを求めることは困難です。そのため、CAEソフトウェアを利用した対策が有効になります。電通総研はファン騒音を解析可能なソフトウェアを取り扱っており、解析手法に関する知見を豊富に有しています。例えば、格子ボルツマン法を採用するソフトウェアでは、空間メッシュの作成時間を必要とせず、 GPGPUによる計算で、メッシュを用いた解析の計算時間と比較して大幅に計算時間を短縮することが可能になります。結果として、解析に必要な工数を大きく削減しつつ、精度の高い解析を実施することができます。一方、音場の伝達特性(反射、吸音、透過)を考慮した解析を実施したい場合、流体解析で作成した流体音源を用いて音響解析を実施する手法の活用を支援します。このように、お客様のニーズや現象に応じて最適な手法やソフトウェアをご提案します。

空力性能

空力性能(空気抵抗、気流音)はCFDが長年活用されてきた適用テーマですが、複雑な製品CADデータを用いたCFD活用にはメッシュ生成作業ボリュームが膨大であることやソルバー収束性の問題から、習熟するまでに長期間を要すること、習熟してもメッシュ生成期間が長期化することが、製品設計業務へのCFD活用の阻害要因となっています。電通総研は格子ボルツマン法を採用する複数のCFDソフトを取り扱っており、従来のCFDでは1週間程度を要していたメッシュ生成を1時間に短縮することが可能です。作業時間を大幅に短縮するだけではなく、メッシュ生成の技能を習得する期間も約3か月間から1週間程度に短縮することができるため、初めて空力性能CFDに取り組まれるお客様でも業務立ち上げを容易にします。格子ボルツマン法は解析精度の面でも非常に優れており、DrivAerモデル(*)による電通総研実施のベンチマークでは実測値とのCd値誤差が0.004と良好な結果を確認しています。

*ミュンヘン工科大学から公開されている自動車空力ベンチマークモデル

ギア攪拌抵抗

ギア回転時の潤滑油攪拌抵抗は駆動力伝達効率に大きな影響を与えます。また潤滑油はギア冷却の役割も担っているため、ケース内での潤滑油の流動範囲を把握することは冷却設計上でも必要となります。電通総研はVOF法や格子ボルツマン法のCFDソフトを用いたギア攪拌シミュレーションの支援実績を豊富に有しており、お客様の取り組み課題に応じたツールの提案、解析手法構築の支援が可能です。

撹拌性能

撹拌操作は撹拌槽内の混合均一化の促進やスラリーの混合分散などに用いられています。例えば、原料の均一混合を目的とした撹拌の場合、濃度が均一になるほど製品の品質が向上します。ここで問題となるのが、ラボスケールで良好な撹拌状態だった系を量産スケールへスケールアップする際に発生する混合不良です。一般的に、量産スケールの撹拌槽内部を直接観察することは難しいことが多く、実験による評価が困難です。また、スケールアップは考慮すべきパラメータが多く、撹拌装置は実績をベースとした経験的な設計をすることが多くなりがちです。

電通総研では様々な撹拌方式を表現できる熱流体ソフトウェアを取り扱っております。例えば、一般的に採用される一軸撹拌のみならず、従来のMRF (Multi Reference Frame)では表現が難しい遊星式撹拌や二軸撹拌といった複雑な回転運動を表現することも可能です。また、撹拌解析を実施することで、実験では困難な撹拌槽内部の流動状態を可視化できたり、混合不良部が発生している箇所を視覚的に確認することができます。得られた結果を設計にフィードバックすることで、複雑な撹拌方式を有する装置全体の設計検討にお役立ていただけます。

CFD(熱流体解析)活用支援について

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