MBE(3D高度活用)~3DAモデルで部門間・企業間をつなぐ~

MBE(3D高度活用)
~3DAモデルで部門間・企業間をつなぐ~

なぜMBEが必要なのか

これまで日本の製造業では、二次元図面を中心に設計情報を伝達し、人の経験や現場でのすり合わせによってものづくりが行われてきました。

しかし、トップページで触れている通り、近年の製造業を取り巻く環境では
①熟練者依存
②少子高齢化・労働人口の減少
③複雑化する製品開発
といった課題が顕在化しており、従来の図面中心でのやり方は限界を迎えつつあります。

これらを解決するためには、図面を人が読み解いて伝える前提から脱却し、設計情報そのものをデジタルデータとして正確に、かつそのまま後工程へつなげる仕組みが必要です。
その考え方が MBE(Model Based Enterprise) です。

MBEでは、設計・製造・検査・調達・保守といったすべての工程、さらには企業間においても、3DAモデル(PMI等の情報を付加した3DCADデータ)を軸に情報を活用・流通させることで、情報の分断や解釈の違いを無くし、ものづくり全体の効率と品質を高めることが可能です。
その結果、創出された余力を製品の機能や魅力の向上といった本質的な業務に割くことができ、製品の付加価値向上につながります。

MBEが実現できている状態とは?

MBEの成熟度は、NSEがMBE Maturity Index という指標によって定義しており、Level4 以上がMBE を実現できている状態です。
現在、日本の製造業の多くはMBE Level1~2の段階であり、先進の欧米や中国企業(航空・自動車業界)ではMBE Level4~5の段階に到達している企業もいます。
海外取引において、既に図面を受け取ってもらえない企業も出てきており、MBE Levelが今後のビジネス戦略に影響を及ぼしていくことは十分に考えられます。

※NSE:National Security Enterprise
(米国の国家安全保障関連組織)

MBEの対象となる領域

MBE Maturity Index ではMBE推進において、以下の5つの領域に分けてその推進度合いを評価することが可能です。
C1:製品設計、C2:製品データ管理、C3:製造、C4:品質(検査)、C5:企業としての推進
電通総研ではこれらの領域を大きく3つに分類し、MBE推進の支援を行っています。
①MBE推進状況診断や全体計画
②製品設計における3DA定義と製品データ管理
③3DAデータの活用や流通(製造・検査)

MBE推進状況診断や全体計画

組織全体でMBEを推進していくためには、まずは自社のMBE推進状況がどの段階にあるのかを把握することが必要です。どの領域で3DAデータの活用が進んでいるのか、進んでいないのかを可視化し、中長期でのMBE推進計画を立案することが重要になります。

✔目指すべき姿

・自社のMBE推進状況が可視化され、自社の強み・弱みが明らかになっている
・中長期でのMBE推進計画が立っている
・MBE推進に必要なコストや得られるメリット(リターン)が明らかになっている

✔実施するメリット

・自社の状況を把握した上で、適切な投資計画が立案でき、経営陣や関係部署への説明にも有効となる

施策ロードマップ/ROIの検討イメージ

製品設計における3DA定義と製品データ管理

MBE推進活動の起点は、従来二次元図面で表現されていた設計情報を全て3DAモデルに集約し、設計された製品設計データを、適切に管理・活用できる環境を整えることが重要です。
具体的には、"3DCADを中心とした設計環境の整備"、"PMIや幾何公差を含めた設計情報の定義と教育"、"MBEに関わるデータを共有するプラットフォームの構築" などの取り組みが必要です。

✔目指すべき姿

・適切な3DAモデルで設計されている
・設計段階から生産のことも考慮されたPMI情報が付与されている
・製品設計データがセキュリティを担保された環境で一元的に管理されている

✔実施するメリット

・二次元図面の作成が不要になる
・設計品質の向上と流用設計時の効率化が図れる

3DA活用・流通(製造・検査)

設計で作成された3DAモデルを製造・検査などの工程間や企業間で共有・活用することで、MBE活動の本当の効果が得られます。
具体的には、設計意図や要件を3DAモデルに定義しているため、情報を後から入れ直す再転写や作り直しが不要になります。さらに、設計段階から品質を早期に作り込むフロントローディングを実施することで、工程間や企業間で発生していた手戻りや調整を大幅に減らすことができます。

✔目指すべき姿

・設計開発から受け取った3DAモデルがダイレクトに製造や検査の行程で使われている
・3DAモデルで生産要件等をチェックしている
・企業間のすり合わせに3DAモデルを活用し早期に合意形成ができている

✔実施するメリット

・設計~検査~製造に必要な情報がモデルに集約される
・3DAモデル上で生産要件のチェック・モデルの検証ができる
・製造・検査の工数が削減され、リードタイムが短縮される
・金型トライ回数が減ることで、納期が短縮されると同時に試作部品数が削減される

まとめ|未来を見据えて、いまから取り組むMBE

MBEは図面中心のものづくりから3DAモデルを基軸としたものづくりへと移行するための考え方であり、実現を支えるテクノロジーや活用手法は今後もさらに大きな進化が期待されています。
だからこそ将来の変化を見据え、今から3DAモデル活用を前提とした業務やデータの在り方へ段階的に移行し、計画的に準備を進めていくことが重要です。

電通総研は、MBEの実現に向けた構想策定から運用定着まで、豊富な知見と実績に基づきご支援が可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。

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