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「良い設計」を「良い製品」に変えるCAD/CAM活用術 違いも解説

序章

3D CADの普及により、設計は以前よりも精緻かつスピーディに進められるようになりました。しかし加工の現場では、「良いモデルを作ったはずなのに加工段階で調整が増える」「実物を基にパスを何度も修正する」「工具干渉で設備が停止する」といった課題が依然として見られます。その原因の1つに、CADとCAMをひとつの流れとして運用できていないことにあります。本記事では、CAMの基本的な役割から、CADとCAMをシームレスにつなぐメリットについて解説します。「良い設計」が加工に落ちない背景と課題、その解決策をひも解いていきましょう。

加工トラブルを防ぐ鍵~加工前のシミュレーション~

製造業では、3D CADを活用した設計業務がすでに一般的になっています。しかし「良いモデルを作ったと思ったのに、加工段階で大幅な調整が発生する」「実物を基にパス修正を何度も行っている」といった声が多く聞かれます。

また実際の加工現場では次のような課題が発生しています。

  • 加工でしか分からない問題が後工程で発覚する
  • 工具干渉によるトラブルが起きてしまう
  • 実機で試したところ条件が合わず、最悪の場合加工機が停止・故障する

加工機の停止や故障は、生産性だけでなくコストにも大きな影響を与えるため、できる限り避けたい事態です。

こうした課題を解消する方法の一つが、CAMを利用して加工に入る前のシミュレーションを実施することです。CAMを活用すれば、CADで作成した3Dモデルを基に実加工に移る前にNCパスの事前検証を行い、問題の有無を事前に確認できます。CAMの活用により、初回から精度の高い加工が実現し、手戻りの削減にもつながります。

CADとCAMの違いって何?~「形状」を「削る動き」に翻訳する~

そもそもCAM(Computer Aided Manufacturing)とは、CADで作成した3Dモデルをインプットにして、それを加工機が製造できるようにするためのNCプログラム(Gコード)を生成するソフトウェアのことです。
つまり、CADとCAMの違いとは以下のようになります。

  • CAD:形状の設計
  • CAM:その形状をどのように削るか

このようなCADとCAMの違いを理解し、CAMの機能について触れていきましょう。

【CAMの主な機能】

CAMには以下の機能が備わっていることが多いです。

  • CADデータ読込・形状認識
    CADで作成された3D形状を読み込み、加工箇所や境界を自動的に判断する。
  • ツールパス生成(2軸〜5軸・複合加工)
    荒取り・仕上げ、旋盤加工、5軸加工など複雑な形状に対応し、加工ミスの削減とサイクルタイムの適正化を実現します。
  • 加工シミュレーション
    工具干渉、加工時間、切削負荷などを事前に確認し、リスクを低減します。
  • ポストプロセッサ出力
    加工機メーカーや制御装置ごとに異なるNCデータ形式を出力します。
  • 工具管理・加工条件データベース
    工具寿命の最適化や加工条件の標準化に貢献します。

【CAM導入がもたらす効果:コスト削減・品質向上・効率化】

CAMを導入することで、次のような効果が期待できます。

  1. 材料費・工数の削減につながる
    試し削りの回数や材料ロス、段取りのやり直しを削減でき、材料費・工数などのコスト削減に直結します。
  2. 品質・安全性の向上
    加工前にシミュレーションで干渉チェックを行うことで、機械停止や工具破損といった事故のリスクを軽減できます。
  3. NCプログラム作成の効率化
    加工手順に沿って自動的にNCプログラムが生成されるため、従来の手作業によるNCデータの作成に比べて作業時間が大幅に短縮されます。また、担当者ごとの手法のばらつきを抑え、工程の標準化にもつながります。

CAD/CAM統合環境の価値~設計と加工を同じデータでつなぐ~

CAMはCADモデルを基に加工パスを作成し、その結果はNCデータとして加工機に引き継がれます。そのため、CADとCAMは本来密接に結びつくべき関係です。

CADとCAMが別々のソフトウェアで運用されている場合、以下の課題が発生しやすくなります。

  • CAD→CAM間のデータ変換が手間
  • 変換時のトラブルでモデルが欠落する
  • ソフトの切り替えで作業効率の低下
  • 設計変更の反映漏れ

こうした課題を解消する手段として注目されているのがCAD/CAM統合ソフト(CAD/CAM)です。

【CAD/CAM統合ソフトのメリット】

CAD/CAM統合ソフトとは、CADとCAMが一体化されたソフトウェアであり、「設計(CAD)」と「加工準備(CAM)」を同じ環境で行える点が特徴です。

代表的な製品として、Siemens社の「NX」があります。

NXでは以下の操作を同一環境で完結できます。

  • CADでモデリング
  • CAMで加工パス作成・加工のシミュレーション
  • シミュレーション結果を基にモデル修正

NXの活用により、

  • 一貫したデータ管理
  • モデル変更が即座にCAMへ反映
  • 設計~製造の手戻りが大幅に減少

など多くのメリットが得られます。

NX CAMの操作画面

まとめ CAD/CAM連携で「良い設計」を「良い製品」につなぐものづくりへ

「CADで設計されたモデルを、CAMで加工情報に変換し、NCデータとして加工機へ渡す」。この一連の流れが確立されることで、加工工程の効率化、品質向上、コスト削減が実現できます。

特に、

  • 設計変更の反映漏れ
  • モデル変換の手間
  • シミュレーション不足によるトラブル

このような課題はCAD/CAMの連携が優れているNXを利用することですぐにでも解消します。CAMの積極的な活用や、CAD/CAM統合環境での運用が効果を発揮します。

電通総研では、CAD/CAMソフトウェアの提供だけでなく、貴社部品・設備に合わせたCAM運用の診断、教育・トレーニング、ポストプロセッサ最適化などのご支援も可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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