本年(2023年)の6月末ごろに成形品質向上に関しての取り組みについて、初めて紹介を行わせていただきました。
初回ということで、取り組み全般の概要をご紹介いたしました。今回は2回目ということで、これまで取り組みを行ってきたなかで、広くお役に立てそうなピンポイント情報を取り上げて紹介しようと思います。
今回のテーマは予測技術の活用シーンが様々あり、その活用シーンによって利用する予測技術のモデル精度(INPUT情報の正確性)も変わってくるというお話になります。
製品開発から量産まで広く見たときに、予測技術を利用するシーンは製品設計段階、型設計段階、成形条件検討、量産時の工程改善など複数が上がってきます。各段階で、評価の目的とINPUT情報に大きな違いがありそうなことが想像されます。
次のセクションで、INPUT情報を見ていきましょう。
予測モデルへのINPUT情報の視点で見ていくと、活用シーンによって差異が見えてきます。
製品設計段階では設計中のモデル情報がINPUTされてきます。製品設計の流動性も高い状況では、成形工程の検討などはあまり進められるものではない状況です。
例としては以下のような状況と推察します。
このようにINPUT情報としては必要だが、『仮で入れておくか』というような状況ではないかと思います。予測モデルのINPUT精度という観点では確定できていない状態での評価となります。それゆえ、この段階では対製品形状に対しての製造要件の評価が主体となってくると考えられます。
かたや、製品形状が確定したら、型仕様が固められます。製品設計段階では明瞭となっていなかったような型設計要素も確定し、生産地や使用する成形機も確定してきて、成形条件も並行して決めていける状態になります。ここまでくると、INPUT情報の精度も上がってきます。実成形の仮想評価への利用も十分となってきます。
製品設計段階では、主に製品形状が最新のINPUTになり、対象製品での成形工程としての情報は少ないことがわかりました。この段階で見ているのは、成形不良に対しての製品形状の感度が主体になっているのではないかと推察します。解析の精度という点と業務活用を混ぜ合わせると、解析の精度に対しての考え方にも変化が出てきそうです。製品形状の流動性が高い段階ではどの程度のINPUT精度で評価を進めるか考えてみるのも一考かと考えます。
形状起因のソリに対して、割り切った仕様の仕組みがあります。下記リンクより確認いただけます。
『IPF Japan 2023 国際プラスチックフェア』に東レエンジニアリングDソリューションズ様のブースに協賛出展をいたします。『成形品質向上コーナー』で、弊社社員がお待ちしております。