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製造業の設計・開発を革新する「EngineeringAI」
~メーカー製ソフトウェアを活用したアプローチ~

はじめに

製造業の設計・開発現場は、今まさにAI技術による大きな変革期を迎えています。電通総研は、50年にわたりCAE(Computer Aided Engineering)の導入・活用支援を通じて、ものづくりの現場の課題解決に取り組んできました。

前回、EngineeringAIの中でもサロゲートモデルにフォーカスしたブログや相談会には大変多くの反響を頂き、改めてこの領域に、皆様の強い関心が寄せられていることを実感しました。

※前回のブログでご紹介している「EngineeringAI相談会 ~サロゲートモデル編~」は、おかげ様で大変多くのお申込みを頂きました。まだ若干の空きがございますのでご興味ある方はこちらもご確認ください。

EngineeringAIが目指すところは、AIが設計者に複数の設計案を自動提案する「Generative Design(ジェネレーティブデザイン)」の実現です。私たち電通総研は、その第一歩として、社内に蓄積された過去の解析データを活用し、サロゲートモデル(代理モデル)を構築することから始めることを推奨しています。そこから生成AIによる3D形状生成へとステップを進め、最終的にはGenerative Designの実現を目指す──この段階的な取り組みが、製造業の設計・開発業務に大きな変革をもたらします。

本ブログでは、EngineeringAIの実現に活用できるAIツールとして「ODYSSEE(Hexagon)」と「PhysicsAI(Altair)」についてご紹介します。これらのツールは、サロゲートモデルの構築や3Dシミュレーションの高速結果予測を実現するための強力なプラットフォームであり、電通総研が導入・活用のサポートを提供しています。お客様の課題や要件に応じてこれらのAIツールを効果的に活用することで、よりスピーディーなEngineeringAIの実現に近づくことができます。

EngineeringAIの実現にAIツールが担う役割──ODYSSEEとPhysicsAI

上述のとおり、EngineeringAIの実現には、サロゲートモデルの構築や生成AIの活用を支える強力なAIツールの活用も有効です。電通総研では、世界的に評価の高い「ODYSSEE(Hexagon)」と「PhysicsAI(Altair)」を活用したソリューションを提供しています。ここでは、それぞれのツールの特徴と活用方法について詳しくご紹介します。

ODYSSEE(Hexagon)

ODYSSEEは、Hexagonが提供するAI・機械学習ベースのシミュレーション支援プラットフォームです。CAEデータや実験データを活用し、サロゲートモデルの構築や最適化、リアルタイム予測を実現します。

主な特徴

  • 多様なAIアルゴリズムを搭載:機械学習、ディープラーニング、POD(Proper Orthogonal Decomposition)など、最先端のアルゴリズムを標準搭載
  • リアルタイム予測・最適化:サロゲートモデルによるリアルタイム応答予測や、設計最適化を高速に実施
  • CAEワークフローとの連携:既存のCAEツールや設計プロセスとシームレスに連携可能
  • 可視化・解析機能が充実:AIモデルの予測結果を直感的に可視化し、設計判断をサポート

活用イメージ

  • CAE解析や実験データをODYSSEEに取り込み、AIモデルを構築
  • 設計パラメータの変更に対し、リアルタイムで応答値を予測
  • 最適化アルゴリズムと連携し、最適設計案を自動探索
  • 結果を可視化し、設計者の意思決定を支援

PhysicsAI(Altair)

PhysicsAIは、Altair社が提供するAIベースのサロゲートモデル構築プラットフォームです。CAE解析や実験データをもとに、物理現象を高精度に再現するAIモデルを自動生成します。

主な特徴

  • ノーコードでサロゲートモデル構築:専門的なプログラミング知識がなくても、GUI操作で簡単にAIモデルを作成可能
  • 多様な物理現象に対応:構造、流体、熱、電磁場など、さまざまな解析分野に適用可能
  • 高精度な予測性能:従来の回帰モデルや近似モデルに比べ、物理法則を考慮した高精度な予測が可能
  • 設計最適化やパラメータスタディに最適:短時間で多くの設計案を評価でき、最適化業務を効率化

活用イメージ

  • CAE解析の結果データをPhysicsAIにインポート
  • 入力パラメータと出力応答値を指定し、AIモデルを自動生成
  • 新たな設計案に対して、AIモデルが瞬時に応答値を予測
  • 最適化や感度解析、設計空間探索に活用

サロゲートモデル構築のための相談/体験会ご案内

電通総研では、サロゲートモデルをはじめとするAI技術の設計・開発業務への活用を推進するため、以下のイベントを開催します。

EngineeringAI相談会 ~サロゲートモデル編~

開催日時:①2025年10月14日(満員締切) ②2025年11月11日
①10:00~11:30 ②13:00~14:30 ③15:00~16:30

開催方法:オンライン

対象者

  • AIの活用やサロゲートモデルに興味はあるが何から始めるべきかわからない方
  • 専門家に相談したい方

参加するメリット:

  • 設計・解析業務でのAI活用に関する課題やお悩みを、電通総研のコンサルタントに相談できます。
  • 1コマ1社限定参加のため、他の参加者に知られたくない内容でも安心して相談ができます。
    ※お聞きしたお客様の情報は電通総研の情報セキュリティ保護方針に従い適切に取り扱います

体験会の詳細・お申し込み方法については、電通総研の公式ウェブサイトまたは担当営業までお問い合わせください。定員に限りがございますので、お早めのご予約をおすすめいたします。

EngineeringAI体験会 ~AIツールを活用したサロゲートモデル構築~

Hexagon ODYSSEE編

開催日時:①2025年10月24日(金)(満員締切) ②2025年11月14日(金) (満員締切)③2025年12月12日(金)(残席わずか)
時間はいずれも13:00~17:00
※好評につき増枠予定です。

開催方法:オンライン

対象者:

  • AI活用による設計品質向上や効率化にご興味のある方
  • AI活用による新しい設計、開発に興味のある方
  • AIやサロゲートモデルによるCAE or シミュレーション高速化に興味のある方
  • サロゲートモデルやROMを使った最適設計に興味のある方
  • 実際にROMソフトを使ってサロゲートモデルを構築してみたい方

参加するメリット:

  • ODYSSEEによるサロゲートモデルの構築について講義と演習で学べます。
  • ソフトウェア環境は電通総研がご用意します。
  • 終了後、希望者はコンサルタントによるフォロー面談に参加できます(個別開催)

Altair PhysicsAI編

開催日時:①2025年11月28日(金)13:00~17:00(残席わずか)
※好評につき増枠予定です。

開催方法:オンライン

対象者:

  • AI活用による設計品質向上や効率化にご興味のある方
  • AI活用による新しい設計、開発に興味のある方
  • AIやサロゲートモデルによるCAE or シミュレーション高速化に興味のある方
  • サロゲートモデルやROMを使った最適設計に興味のある方
  • 実際にROMソフトを使ってサロゲートモデルを構築してみたい方

参加するメリット:

  • PhysicsAIによるサロゲートモデルの構築について講義と演習で学べます。
  • ソフトウェア環境は電通総研がご用意します。
  • 終了後、希望者はコンサルタントによるフォロー面談に参加できます(個別開催)

まとめ

製造業の設計・開発業務は、今まさにAI技術による大きな変革期を迎えています。CAE解析の効率化や設計最適化、ノウハウの形式知化など、AIを活用したサロゲートモデルは、ものづくりの現場に新たな価値をもたらします。

電通総研は、50年にわたるCAE支援の実績と、AIトランスフォーメーションセンターの知見を活かし、最先端のAIソリューション「EngineeringAI」をご提供しています。ご興味のある方は、お問合せを頂くか、上記でご案内したEngineeringAI相談会/体験会にお申込みください。

設計・開発業務のさらなる効率化・高度化を目指す皆様、ぜひこの機会にEngineeringAIの世界をご体験ください。


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