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設計者CAEの定着を阻むボトルネックを解消!
「メッシュレス」「超高速計算」を実現するAltair SimSolid活用法

再び注目される設計者CAE

電通総研は、1975年から50年にわたり製造業の解析を支援してきました。その中で様々なトレンド、技術革新を経験してきましたが、ここ近年改めて各社から設計者CAEに注目が集まっていると感じることが増えました。

主な理由として、以下のものが考えられます。

  • AIなどの技術革新によって従来よりも設計開発業務でのCAE活用のハードルが下がった
  • HPCやクラウドの普及によって解析環境が進化した
  • 円安、関税リスクなどの外的要因によって、より迅速で精度の高い設計開発が求められるようになった

しかし、たとえ技術や環境の進化に加え外的環境の変化がどれだけあっても、設計者CAEで目指すのは

  • 品質向上
  • 設計手戻り削減
  • 試作・実験回数の削減
  • 開発期間の短縮

といった効果であることには変わらず、これらは設計開発における本質的なテーマでもあると言えます。

設計者CAEがもたらす効果

そしてそれらのテーマの前に立ちはだかる課題も、総論としては技術革新で乗り越えつつあるはずであるにも関わらず、いざ「個別業務」という各論に目を向けるとなぜか変わらぬ姿で設計者たちの前に立ちはだかります。

  • 「CAEモデルからメッシュ作成が難しい」
  • 「解析計算時間がかかり十分な検証ができない」

――この二つの課題が依然として足を引っ張り、せっかく導入した設計者CAEが現場に定着しないケースが後を絶ちません。

たとえば

  • 複雑な形状に対するメッシュエラーを解消できない
  • 大規模アセンブリの解析に数時間~数日かかる

こうした状況では、いくら環境が整いつつあると言っても、目の前の業務に追われる設計者はCAEを避け、結果的に手戻りを前倒しできず、開発スピードが向上しないのです。

CAEを使用する設計者が直面する諸問題と課題

――そこで、これらの課題を根本から解決するアプローチをご紹介します。

課題へのアプローチ提案

  1. メッシュ作成の手間を「削減」
    →CAD修正、メッシュ作成を一切不要とするメッシュレス手法
  2. 解析時間を「削減」
    →"数分~数十分"オーダーのスピードで解析結果を導出できる計算アルゴリズム

これら2つのソリューションを提供するのが、Altairの「SimSolid」です。

Altair SimSolidで実現できるのは、

  • CAD修正、メッシュ作成が一切不要の"真のメッシュレス"
  • 複雑・大規模アセンブリでも数分で解析結果を導出する"超高速計算のアルゴリズム"

――まさに設計者CAEの定着を阻む二大壁を突破する革新的技術です。

Altair SimSolidの主な特徴

  1. 独自技術による「真のメッシュレス」解析
    -CAD修正、メッシュ作成が一切不要
    -メッシュ都合の手間やノウハウが必要なく、CADモデルから計算実行までの時間を大幅短縮
  2. 部品間結合設定の自動化
    -アセンブリインポート時に部品間の貫通干渉量やギャップ量を検出し、固着やスライド接触を自動付与
    -ボルト形状からボルト締結部位を自動検出して、ボルト結合を自動化する機能を搭載
    -部部品点数の多いアセンブリモデルでも簡単に短時間で設定可能
  3. 幅広い物理現象に対応
    -線形静解析、非線形静解析、固有値・振動解析、熱解析、熱-構造連成解析など
    -SimSolidのみで様々な物理現象を容易に、スピーディにシミュレーション

これにより、設計者自身が解析モデルをサクッと準備し、解析条件の試行錯誤をストレスなく進められる環境を実現します。

SimSolidの導入事例:2つの成功ポイント

【事例1】工業用エレベータの振動解析

  • 部品点数:1,180点の大規模アセンブリ
  • 解析モデル作成時間:10分
  • 計算時間:2分

→メッシュレス+超高速計算で、従来の半日~1日のサイクルが数十分に短縮

【事例2】ラティス構造部品の強度解析

  • 複雑中空格子形状で従来のメッシュ作成が困難
  • 解析モデル作成時間:2分
  • 計算時間:1分

→一般的なモデリング環境でも解析可能となり、試作前評価が圧倒的に高速化

SimSolidの活用事例イメージ(左:事例1/右:事例2)

いずれのケースも、「設計者CAEを定着させたい」という現場の強い要望にSimSolidがダイレクトに応えた成功例です。

SimSolidに関する動画コンテンツのご紹介

SimSolidについてより詳細に知っていただくため、2種類の最新動画コンテンツをご用意しています。

実際にCAEを使いたい設計者の方や設計者に向けたCAEの導入を検討されている方、どちらにもお楽しみ頂ける内容になっておりますので是非ご視聴ください。

  • Webinar「3D CADユーザーのための設計者CAEソリューション~Altair SimSolid~」
    ・SimSolidの技術背景から基本操作までを50分でわかりやすく解説
    ・3D CADユーザーが使うCAEツールという観点での説明です
  • ユーザー事例講演「SimSolidを活用した効率的な設計プロセスの実現」
    ・ヤンマー建機株式会社におけるSimSoldの導入・活用事例を推進担当者が開設
    ・運用フロー、定着化のポイントを実際の取り組みに沿って紹介します

まとめ

以上、このブログでは世の中が変わっても過去から変わらない設計者CAEに関する課題から、有効なツールとしてAltairのSimSolidについてご紹介しました。

電通総研では、50年間前からの解析のパイオニアとして培った豊富な実績と、マルチベンダーでのCAEツールおよびサポートを提供する高い技術力によって、お客様のエンジニアリングパートナーであり続けます。

次回の設計者CAEに関するブログでは、SimSoid以外の設計者CAEツールについてもご紹介します。ぜひお楽しみに。


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