エアモビリティの世界は日々進化し、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えています。しかし、新たにこの分野に参入したり、人材を育成したりするのは簡単ではありません。そこで、三菱重工業と電通総研が「航空機開発人材育成ソリューションセミナー」を開催しました!
このセミナーでは、三菱重工業の経験豊富な講師陣が、民間航空機開発に必要なシステムインテグレーション能力、開発プロセスや適合性証明技術について、Q&Aや実習を交えながら講演しました。新規参入を検討している企業の方々や航空業界のプロフェッショナルたちが活発に意見交換を行いました。
民間航空機の特徴や開発の難しさ、今後の需要予測について解説しました。特に、他の産業との相違点をもとに、製品の規模や複雑さ、安全性についての基礎を学びました。Q&Aでは、今後の需要増に対応するための総合的な対策が議論され、パイロット不足や技術蓄積の重要性についても触れられました。日本での開発活性化には、小型機や空飛ぶクルマの技術構築や人材育成が重要であることが強調されました。
開発から運用、運用終了までの全体像を説明し、プロジェクトマネジメントとシステムズエンジニアリングの重要性を強調しました。特定の設計分野だけでなく、大規模システムの業務推進のためには、プロジェクトの範囲を定義しリソースを適切に配分しスケジュールを管理するプロジェクトマネジメントと、システムの要件や目標を満たすために全体像を俯瞰的に把握し、設計、構築、運用するシステムズエンジニアリングの手法が重要です。大学教育や研究分野の位置づけについても説明されました。
市場調査から得られた要求に基づき、商品企画の流れを紹介しました。自社の能力や競争力、新技術の適用を評価し、市場要求仕様を作成する一連のプロセスを学びました。実例として、Boeing787のPoint to Point運航の市場開拓や、Spacejetの機体コンセプトの変遷について紹介されました。実習では、航続距離を変更した際に影響されるパラメータとその理由について検討しました。
航空法規の適合方法や証明計画の作成について学びました。航空機事故の歴史や安全性の研究結果に基づき、レギュレーションが追加・変化していることも示されました。各レギュレーションに対する適合性証明方法(Means Of Compliance:MOC)や、MOCの種類と適合性証明計画、設計の審査についても紹介されました。Q&Aでは、認証機関とのすり合わせや情報共有の方法、情報の管理の仕方、型式証明(Type Certificates : TC)をいつの段階から行うかについても議論されました。
電通総研が進めるReAMoプロジェクトの活動報告が行われ、無人航空機の認証ガイドラインやバーチャルサンプル機体の作成について紹介しました。次世代空モビリティの社会実装に向けた認証・証明支援とIT技術の提供についても説明しました。
今回のセミナーでは、経験豊富な講師陣の下、エアモビリティ分野における知識と技術を学びました。参加者同士の意見交換も活発に行われ、新たなネットワークが広がりました。
今回のセミナーを受講した方々を対象に、さらに深掘りした有料プログラムの実践編を提供予定です。三菱重工業と電通総研が主催するこのプログラムでは、より具体的な実習やケーススタディを通じて、航空機開発に必要なスキルをさらに磨くことができます。ご興味を持たれましたら、是非ご相談ください。
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