業務改善や効率化、製品・プロセス品質の向上を支援すること25年。お客様の様々な問題や課題をお聞きしてきました。その中でも多く聞こえるのがFMEA(故障モード影響解析)の形骸化です。「取引先から出せと言われるので作成している」、「DR(デザインレビュー)で必要なので作成している」。本来の目的と役割が見失われ、単に帳票を作成するだけになっている。あなたの会社でも起きているのではないでしょうか。
FMEA(Failure Modes and Effects Analysis)は、システム、プロセス、製品、サービスなどの設計や製造、運用において、潜在的な障害やリスクを特定し、それに対処するための手法です。FMEAは、問題が発生した際の影響を最小限に抑え、品質や信頼性を向上させることを目的としています。
FMEAの基本的な実施手順は次の通りです。
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形骸化(けいがいか)とは、本来の目的や意義を見失い、形式・手段だけが残っている状態を指します。形式を取っているだけなので、実質的な効果を期待することができず、義務履行となります。こうなると、作業者は手数をかけずに作業を終わらせることを最優先に考えるため、前の機種で作成したものを使いまわしたり、雛形を作って気が付いた項目だけを追加して、あたかも検討したそぶりをしたりすることが平然と行われるようになります。このような場合、無駄な負荷になっているため、実施しない方が得策となります。
では、なぜFMEAの形骸化は起きるのでしょうか。様々な意見や見解があるとは思いますが、ここでは5つの要因を挙げてみたいと思います。
実際にはこれらが単発ではなく、例えば
といった具合に連鎖することが往々にして起きていると思います。
FMEAの形骸化の原因は前述の5つであると仮定すると、その改善がFMEAの形骸化を防ぎ、FMEAが単なる文書作業ではなく、実践的な成果を生むことになります。
ここでは改善案を4つにまとめています)
しかし、これではFMEAの形骸化は防ぐことはできても、継続化は難しいと考えられます。なぜなら、これまではFMEAが形骸化していたので極端に言えばあまり工数をかけていなかったはずですが、FMEAが価値あるものになることで、投入する工数が増えることになります。納期・期間が変わらなければ、継続することができず、また形骸化してしまいます。
ITツールは作業の効率向上やデータの管理に役立ち、特に大規模なプロジェクトや組織では手動よりも効果的になります。また、「モデル」の概念を持ち込む=モデルベースで考えることで暗黙知を形式知に換える効果も生みます。
(モデル化とその効能については「実践できるシンプルなMBSE・システムズエンジニアリング」をご覧ください。)
構造モデル・機能モデル・故障モデルなどの構築により、AIAG/VDAの新フォーマットなどのこれまでとは異なるフォーマットへの追従も容易になります。
一方、近年目まぐるしく発展するAIは担当者の不足しているスキルや知見を補うことができ、ヌケモレ防止に効果的です。AIの示唆を受けて作成されたFMEAは担当者に新たな経験と知識を与え、且つAIも学習するため、人間とAI双方の成長も促すことを可能とします。
この2つの機能を合わせ持つソリューションが「iQUAVIS」です。あるお客様では「iQUAVIS」の導入により、「これまで3カ月かかっていた作業を1週間で実施できるようになった」と言われています。
FMEAの形骸化は長きにわたって日本企業の悩みのタネであると思います。しかし、時代の進歩と共にその解決も現実的なものとなっています。ぜひこの機会にFMEAの形骸化に立ち向かってみませんか?
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