医療機器開発における規格への対応として、iQUAVISを用いたISO14971対応テンプレートをご紹介します。
これは、リスクマネジメントシステムの導入を定めた規格であるISO14971への対応にフォーカスし、開発・設計・製造とトレーサビリティを取りながらヌケモレのないリスクマネジメントを実現するフレームワークです。
医療機器開発におけるリスクマネジメントにおいては、ISO14971対応を含む多くの規格への対応が必要となります。この規格対応の課題として、ドキュメント作成の側面が強まることによる対応の形骸化、工数の増大が挙げられます。これらへの対応をiQUAVISというツールを介して効率化する方法を紹介します。
医療機器リスクマネジメントにおける課題と、iQUAVISを活用することによる効果を示します。
医療機器リスクマネジメント規格であるISO14971では、ユーザー要求、製品要求を整理し、それらを用いて規格に基づいたリスクマネジメントを運用することが求められています。
しかし、実務でのリスクマネジメントの対応は規格対応へのドキュメント作成の側面があり、過去製品の焼き直しなどによる形骸化が起こりやすくなっています。そのため、必要な情報に基づいた、適切かつ容易なリスクマネジメントの実施が求められています。
開発・設計・製造業務においては、製品品質を保つために様々な手法を用いた取り組みが行われています。FMEAやFTAの実施など、ユーザー要求、製品要求、製品設計、製造設計の各フェーズにおいて各種検討がなされているかと思います。
こうした各開発フェーズでの取り組みとリスクマネジメントの連携が取れないことで、適切な後工程のコントロールやリスクマネジメントへのフィードバックが行えなくなってしまっています。
これらの課題に対し、ISO14971対応テンプレートを活用することにより、下記の効果を実現します。
iQUAVISでのリスクマネジメントプロセスの詳細を示します。
iQUAVISを用いたリスクマネジメントプロセスでは、表形式のリスクマネジメントシートを主に扱います。
形骸化された品質マネジメント、リスクマネジメントを回避するために、下記の3Phaseにてリスクマネジメントを進めます。
また、3Phaseとは異なるプロセスとして、Use, Design, Processの各FMEAとも連携し、これらからのフィードバックによるリスクの管理を行う手順もご紹介します。
さらに要求、設計の情報も合わせてiQUAVISにて詳細化することで、リスクコントロールを実施した際に、その内容を設計へとフィードバックし、合わせて管理することが可能です。
これらの各プロセスについて、iQUAVISを用いて実施する手順を順番にご説明していきます。
iQUAVISはISIDが開発した開発の見える化ツールです。技術ばらしツリーやブロック図、二元表、日程表を活用し、技術の見える化・判断の見える化・業務の見える化の三つの軸を連携させることで、開発の見える化を実現します。
iQUAVISについて、詳しくは以下のリンクよりご確認ください。
リスクマネジメントの各Phaseを説明します。
まずはリスクアセスメントです。リスクアセスメントでは下記①~③のプロセスにそって帳票でリスクを整理します。
リスクマネジメントと他手法を繋げるリスクコントロールでは危害を発生させないための手段を検討していきます。ここでは一つのハザードに複数のリスクコントロールが必要になっても簡単に追加していくことができ、必要な対策を打っていくことができます。また、各リスクコントロール手段に対して、進捗管理、対応文書の配置箇所設定など、関連情報まで合わせて整理することが可能です。
最後にリスクコントロールにて消しきれなかった残留リスクを評価します。
残留リスクが一定のレベルにならないと製品としてリスクの受容ができないため、全てのリスクが受容できるまで検討を重ねます。
整理した製品情報とリスクマネジメントにて実施したリスクコントロールを紐づけることで、設計へのフィードバックとして扱うことも可能です。
先に検討したリスクマネジメントの実施項目と、それを実現する設計要素や製造工程を検討し、それらの紐づけを持つことによって、リスクコントロールに対して適切な対応が取られているかを設計へフィードバックし、管理することができるようになっています。
各開発プロセスでの設計知見のフィードバックを反映させることで、さらにヌケモレの無いリスク管理を行うことができます。各開発プロセスで実施したFMEAまで合わせてiQUAVISで管理することで、設計からのフィードバックによるヌケモレのないリスクマネジメントが可能になります。本テンプレートを使用するとUse, Design, Processなどの各FMEAから選んだ項目が自動でリスクマネジメントシートに反映されるようになっています。
このように、品質管理と設計が連携することによって、設計、リスクマネジメント相互の品質向上が見込まれます。
今回ご紹介したiQUAVISによるISO14971対応について、実際の製品画面などを含めてセミナー動画にてご視聴いただけますので、是非ご覧ください。また、詳細なご紹介や製品・テンプレートのトライアルなども可能ですのでご興味を持たれましたら是非お問い合わせください。