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金型設計、金型製作、加工関連のお客様へ
「ISID 金型・加工ユーザコンファレンス 2023」実施報告

金型あるいは加工技術に関するお客様事例や最新の技術情報のご案内、ユーザー様同士の情報交換の場の提供を目的として、既に10年以上に亘り毎年開催してきました「ISID金型・加工ユーザコンファレンス」。本年は、先月10月27日(金)にISID品川本社にて4年ぶりのリアルイベントとして開催をしました。

本ブログでは、講演・展示内容を振り返ると共に、ご回答いただいたアンケート内容もご紹介します。
一部講演資料のダウンロードも可能としておりますので、是非ご活用下さい。

講演プログラムと展示テーマ

本年のコンファレンステーマは、昨年のアンケート結果等も踏まえ以下2テーマとし、

  • 3DAモデル活用の具体論
  • 設計製造連携と自動化

上記テーマに沿った講演と展示を実施しました。

【講演プログラム】

13:30~13:40
開会のご挨拶
13:40~14:10
ISID講演①「ものづくりで活用できる3DAとは」
14:10~14:40
ISID講演②「加工業務課題解決4つのツボ」
14:40~14:55
休憩、展示
14:55~15:35
ソリッドキャムジャパン様講演「高効率加工iMachiningのご紹介」
15:35~16:15
C&Gシステムズ様講演「金型加工プロセス改革をお手伝いするCAM TOOL for NX」
16:15~16:30
休憩、展示
16:30~17:15
セイコーエプソン様講演「樹脂流動解析の自動化と設計製造プロセスへの適用」
17:15~17:30
金型加工関連ソリューションご紹介、アンケート
17:30~
終了、懇親会

まず、ISID講演①にて、1つ目のテーマである「3DAモデル活用の具体論」につきご紹介をしました。
次に、ISID講演②にて、2つ目のテーマである「設計製造連携と自動化」につき、NX及びNXアドオンツールをベースとした実現のツボをご説明しました。続くパートナーベンダー様2講演にて、NXアドオンツールにつきご説明をいただくことで、ISID講演②でのご説明内容をより詳細にご理解いただけたかと思います。
ソリッドキャムジャパン様からは、特に荒加工業務の効率化ツールとして定評のあるiMachiningをベースとしたiMachining for NXを本コンファレンスでは初めて披露いただき、C&Gシステムズ様からは、加工品質の高さで定評のあるCAM TOOLエンジンを搭載したCAM TOOL for NXの詳細を豊富なデモも交えて分かりやすく解説いただきました。
講演の最後としては、セイコーエプソン様より、樹脂流動解析の自動化と設計製造ご担当者への展開を長年に亘り取り組まれている事例のご紹介をいただきました。講演では配布用資料には入れられない生々しい効果実績等もお話しされ、ご参加者の満足度も非常に高い結果となりました。

【展示テーマ】

会社名 展示ソリューション 概要
ソリッドキャムジャパン株式会社 iMachining 高効率加工iMachining
株式会社C&Gシステムズ CAM-TOOL for NX 信頼と実績ある金型加工機能搭載!!
~金型加工に実績のあるNo.1 CAMシステム「CAM-TOOL」がNXの製造工程を支援!!~
株式会社電通国際情報サービス MBE
(3DA→NXCAM,NXCMM,TDP)
3DAモデルの設計/後工程でのフル活用による圧倒的な生産性向上
MoldPlanner 射出成型金型設計支援モジュール
生産要件チェッカー 製造容易性自動チェックモジュール
3DxSuite 3Dデータ変換と設計変更手配
Creaform 3Dスキャンによる金型開発のプロセス改善
i-SPiDM ISIDが開発したWebベースSPDMシステム
3D TIMON 樹脂成型CAEシステム
HoloLens2 MRによるモノづくり現場の業務効率化
JPRO 利用者視点で磨き続けてきた生産管理システム

コンファレンステーマに関連した11の展示ブースを構え、ソリューションの紹介と、展示ならではのお客様-展示員のざっくばらんなディスカッションが活発に繰り広げられました。講演開始前、休憩時に加え、懇親会会場でも展示を実施しましたが、いずれの時間帯も非常に多くのお客様がお立ち寄りいただき、リアル開催の良さを改めて実感しました。

参加者数や参加者の傾向

【申込/参加者数等】

申込者数
76名
参加者数
69名(参加率91%)
アンケート回答者数
63名(アンケート回答率91%)
懇親会参加者数
50名(懇親会参加率72%)

4年ぶりのリアル開催で、どの位ご参加いただけるのか主催者としては正直不安でした。
お申込者数としては過去開催より若干少なめでしたが、予想を遥かに上回る参加者数で会場はほぼ満席となりました。
遠方からのご出席者も多かったですが、セイコーエプソン様を始めとした講演内容、展示や懇親会等リアルイベントならではのコンテンツ、へのご期待が非常に高かったのではないかと推察します。

以下、上記アンケート回答を基に、参加者の担当ご業務と役職クラスの結果をご紹介します。

【ご参加者の担当ご業務】

やはり生産準備・製造部門のご参加者数が一番多いですが、設計ご担当者の参加も多く、合わせた割合は8割を超える結果となりました。

【ご参加者の役職クラス】

チームリーダークラス以上の役職者で過半数を占めています。
過去開催よりも、ご参加者のレイヤーが上位層にやや寄ってきている傾向です。
コンファレンスのテーマが部門を跨る取り組み内容にも及んでいること、継続ご参加の方も多いこと、の結果と推察しています。

講演内容詳細

講演プログラムと展示テーマで講演に関する全体感につき述べましたが、講演内容のポイントにつきもう少し掘り下げて以下ご説明します。

【ISID講演①「ものづくりで活用できる3DAとは」~ものづくりMBEの具体策~】

  • 3DAモデル活用の取り組みが徐々に浸透する中、下流領域で活用するための3DAモデルの作成にフォーカスが当たることも増えてきた。
  • 3DAモデルへの情報付加は面倒というイメージを持たれている方もいらっしゃるが、以下の通り機能が進化しており、3DAモデル活用のトライへのハードルは下がっている。
    • 類似形状と付属情報をライブラリ化し再利用
    • AIによる類似形状一括選択
    • 色/属性を活用した情報連携
    • 加工/CAM、測定等特定の工程で必要となる詳細情報付与のための専用機能
    • ルールを組み、計上や色/属性を基にPMIを自動生成
  • 是非3DA活用を始めましょう!

【ISID講演②「加工業務課題解決 4つのツボ」~データ連携と自動化~】

  • 金型加工領域における目指すべき1つの姿は、『質の高い「加工準備」を「金型設計」と同時完了』すること。
  • 上記を実現するためには、4つのツボがあると考えている。
    1. 加工準備作業の前倒し
    2. 加工準備作業の効率化
    3. 加工時間の短縮
    4. 手戻り削減
  • 上記4つのツボを実現するための重要施策は以下の通り。
    1. 加工準備作業の前倒し「3Dモデルによる加工工程設計」「CAD/CAMモデル連携」
    2. 加工準備作業の効率化「補助モデリング支援機能の活用」「2~5軸統合CAM活用」「加工パス生成の自動化」
    3. 加工時間の短縮「最適加工条件自動設定機能の活用」「パスの安定」「金型部品5軸加工」「リバースエンジニアリングによる素材定義」
    4. 手戻り削減「リアルタイム多軸加工シュミュレーション」「切削負荷シミュレーションによる送り速度最適化」
  • 上記施策にチャレンジし、『質の高い「加工準備」を「金型設計」と同時完了』を目指しましょう!

【ソリッドキャムジャパン様講演「高効率加工iMachiningのご紹介」】

  • 実績のあるiMcahiningテクノロジーがNXの統合プラグインとして利用可能。
  • iMachiningウィザード+iMachiningツールパスにて、加工時間の短縮と工具寿命の向上を両立!。
  • 特許取得のパス生成機能(モーフィング・スパイラル)にて切削力を一定に保つ可変送りを実現。

【C&Gシステムズ様講演「金型加工プロセス改革をお手伝いする CAM-TOOL for NX」】

  • C&Gシステムズの高硬度材加工への取り組み
    加工時間短縮と手戻り削減 → お客様の生産性向上と要求品質確保
  • C&GシステムズがNXを選んだ理由 → 加工準備作業の効率化を図れる
    加工時間短縮と手戻り削減 → お客様の生産性向上と要求品質確保
  • CAM-TOOL for NXのベースとなるCAM-TOOL
    5軸マシニングセンター対応の金型向けCAD/CAMシステム。穴加工から同時5軸加工までをサポート。
  • CAM-TOOL for NXとは
    • NX CAMに準拠した操作性
    • CAM-TOOLのDNAを継承する加工モード
    • CAM-TOOLの類似加工モードを集約
  • 新しいモノづくり、既存工程の改善、業務効率化のテーマに、NXをプラットフォームとするCAM-TOOL for NXで、皆さまの加工効率アップ、加工精度向上、後工程の簡素化、等の業務プロセス改革をお手伝いします!

【セイコーエプソン様講演「樹脂流動解析の自動化と設計製造プロセスへの適用」】

  • シミュレーションの活用で目指す姿
    早期のシミュレーション活用により、設計変更がしやすく、設計変更にかかるコストやリソースが少ないうちに対策を取りたい。
  • 目指すべき姿に向けて
    1990年から樹脂流動解析ツール(Moldflow)を導入し、適用範囲拡大への取り組みをずっと続けてきた。2010年台後半からは、自動化システムの活用により設計/生産技術部門での本格活用が開始できるようになった。
  • とは言え、ここまでの展開では様々な問題にぶち当たった。
    • 各種設定(解析・メッシュ等)の難しさ → 条件設定の自動化
    • 出図前の負荷集中 → 解析投入工数の最小化
    • 対象部品点数が多く、解析ボリュームも多い → 解析結果判断の自動化
    • 解析時間が長い → バッチ処理、処理速度向上
    • CAM-TOOLの類似加工モードを集約
  • 上記実現のため、自動化システムの構築を推進。自動化システムの目指すべき姿を以下の通り定義。
    • 上流工程で製造を考慮した設計の実現で手戻りを減らす
    • 高品質設計を基に、金型設計、成形条件の追い込み等を行えるようにする
  • 上記システム構築と活用を進め、現在では一部機種では全部品に対して解析実施ができるようになった。
  • 今後さらに以下の取り組みを行っていきたい。
    • 事業部へのさらなる展開
    • 全部品解析実施機種の拡大
    • 自動判定項目の拡充
    • 精度向上に向けた取り組み

アンケート結果「今後取り組みたいテーマ」

今後取り組みたいテーマ 回答数
3DAモデル活用 21
樹脂流動・効果・解析自動化等シミュレーション活用 19
金型設計効率化(MoldPlanner活用) 18
加工効率化(NX/CAM活用) 18
加工効率化(CAMTOOL for NX活用) 18
測定パス自動生成(NX/CMM) 17
荒加工効率化(iMachining for NX活用) 14
3DPDFを活用した製造指示等の効率化 12
検査/測定指示書作成効率化(BCT Inspector) 9

最後にアンケートにて「今後取り組みたいテーマ」についてヒアリングした結果を共有します。
上記の通り、講演で触れたテーマの全般に亘り、偏りなくテーマが選択される結果となりました。
本項目は、選択必須としていなかったのですが、取り組みたいテーマは山積しており、そのテーマは各社各様であることが分かりました。本アンケートも踏まえつつ、お取り組みを支援する提案やコンテンツ提供等進めていきたいと存じます。

コンファレンスの実施報告としては以上です。
情報提供のためのお打ち合わせ依頼等大歓迎です。是非以下事務局あるいは担当営業までお気軽にお知らせください。
最後まで本ブログをお読みいただきまして、誠に有難うございました。

お問合せ先

ISID 金型・加工ユーザコンファレンス 事務局 g-moldmach-userconf@group.dentsusoken.com


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