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技術ばらしとiQUAVISと私(第2回)

このブログは、新入社員だった私が技術ばらしiQUAVISを習得した3年間の回顧録です。至らぬ点もあることと存じますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

前回までの振り返り

前回のブログはこちらです。主にやったこと(Y)1、2について振り返りました。興味のある方はご覧ください。

1. 操作トレーニングテキストを網羅した

  • モノづくりについての知識が乏しい私の場合は、前提知識の習得よりも、機能を身体で覚えることを優先した。
  • 操作トレーニングテキストに書かれている操作に加えて、使いこなすためのコツやノウハウも一緒に覚えた。

2. テーマをもって、デモデータを作成した

  • 身近にあるデスクトップPCですら技術ばらしをするのは難しいが、ダイアグラムを使うとあれ?技術ばらしってそんなに難しくない?と気づいた。
  • チームの先輩方から新人レベルとしては合格点をいただけた。

今回は残りのやったこと(Y)3、4について振り返ってみたいと思います。

3. 顧客データを読み解き、FMEA/DRBFMを実施した

操作理解も進み、お客様とのお打合せにも参加し始めたころ、実案件でデータを作成することになりました。そこでは、実際にお客様が使われているExcelで作成されたDRBFMをiQUAVISでどのように表現するかを検討しました。iQUAVISではDRBFMのような帳票類はワークシート機能で表現できます。ワークシートは、ツリーのデータの結びつきをもとに、データの抽出条件と書式の2つを設定することで帳票を自動出力できるという機能です。このワークシートが私にとっては厄介でした。機能理解という観点では、テキストを通して操作してみた上で、いくつか既存のプロジェクトデータを見て、どんな設定をするとどんな見え方になるのかを学んだものの、納得感というのがあまりない状態でした。設定してはみたものの、お客様に出せるレベルには至りませんでした。

どうしても修正しきれず、先輩にアドバイスを仰ぎました。そこで先輩が言ったのは、「ワークシートは、ツリーの"何の情報"を抽出して、"どのように表示させるか"を定義するだけ」というかなりシンプルな回答でした。抽出条件と書式の2つで設定していくのだからそれはそうでしょう!とは思ったものの、自分が設定した抽出条件と書式を見直してみることにしました。

何かを見直ししたり、自分が作成したものに対しての誤りに気が付けなかったりすると、私は度々ラバーダック・デバッグという方法を用います。これはゴム製のアヒルを素人の人間と想定して、コードを1行1行説明していくという、ちょっと奇妙な方法です。素人の人間(アヒル)に対して説明するので、難しい言葉はNG。わかりやすい端的な言い方でなければなりません。このように説明していくと、自分の説明の抜けや情報の不整合に気が付けることができます。コロナウイルスが流行しリモートワークが主となったタイミングにTwitterで見かけて以来、こういったチェック作業のときには度々アヒルを登場させるようになりました。

さて、iQUAVISのワークシートの話に戻します。抽出条件や書式は設定画面の1行がワークシートの1列に対応しているので、1行ずつどんな設定内容になっているのかツリー図と突き合わせてアヒルに説明していきました。すると、ツリー上でどんな情報を持つノードが他にどんなノードとつながっているのか、情報のつながりをしっかりと理解していないことに気づきました。また書式も同じで、情報のつながりを理解できていなかったために、いくら設定だけを見直してもイメージ通りにはならない状態でした。ワークシートは、細かく定義していくと複雑になるものの、機能そのものはシンプルなので、情報のつながりをしっかりと理解すれば、そんなには難しくない!ということがわかりました。

また、ワークシートをデータベースの情報を表に自動抽出するシステムと捉えるならば、もっと幅広い使い方の可能性に気が付きました。製造業の品質管理のための帳票としてのみならず、階層構造に整理できる情報であればほとんどのものが帳票化できます。そして実際に、部内では週報などもワークシートを活用しています。今後は、このワークシートの使いやすさと汎用性を生かしながら、お客様情報の管理にも活用していきたいと思いました。

4. お客様向けに個別デモとプレゼンを実施した

基本機能を習得するのとほぼ並行で、お客様向けにiQUAVISの使い方をご紹介するようになりました。先輩から説明を受けた当初、これは良いなと思った点が、整理した情報を連携できるというところです。ツリーやブロック図、二元表といった情報を入れやすい画面で入力したらサーバーに情報が保管され、瞬時に他の画面にも反映されます。これによって、点在する情報の統合や各人が持っている情報をすり合わせるときに発生しがちなヒューマンエラーや転記などの手間が無くなることが便利だなと思いました。

また、ロジックツリーは基本的なフレームワークで、課題分析や思考整理などのシーンで活用されます。階層構造を用いて段階的に詳細化することで問題や原因の明確化にも活用できるでしょう。その上で、整理した情報を様々な画面で表示することで、一つの情報を多面的な切り口で見ることができます。エンジニアリングに特化した使い方はもちろんですが、それだけではなく、汎用的なツールとしての活用もできる!と気が付きました。

実際にエンジニアリング以外の使い方をしてみた経験があります。OJT期間の中で、なりたい自分の姿と、iQUAVISチームの中でどんなスキルが求められているのかわからなくなり、ゴールが見えなくなった時期がありました。そんな中、iQUAVISを使って行ったのが、「自分ばらし」です。自分自身がどうありたいか、周りからはどうあってほしいと思われているか(要求)と自分はどういう特性がある人物なのか(要素)をばらしていくと、自分に不足していることや、目指すべきもの、そしてやるべきことがおのずと明確になってきました。

ここまで振り返ってきて

この3年間は主にiQUAVISの機能と使い方の理解を深めてきました。今思うと新しいツールや初めて知ったメソッドを前に難しく考えてしまったように思います。品質管理のメソッドもiQUAVISも、ルールはシンプルで、そこを理解すればだれでもできるようになっていると思いました。

今後はiQUAVISの良いところを伝えていくのと同時に、共感頂いたお客さまに対して「技術ばらしは難しくはない」ということをご理解いただけるよう努力していきたいと思います。

第2回の今回はやったこと(Y)3、4について振り返ってみました。いかがだったでしょうか。ご指摘やアドバイスなどいただけると励みになりますのでどうぞお気軽にご連絡ください。

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