このブログは、新入社員だった私が技術ばらしiQUAVISを習得した3年間の回顧録です。至らぬ点もあることと存じますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
身近なものがどんどんIT化していくことに興味を覚え、IT業界に足を踏み入れました。当時は広告系のサービスに興味があり、正直に言うと製造業向けのサービスに従事するとは思ってもいませんでした。しかも、配属された部署は技術ばらしやiQUAVISを主力ソリューションとして位置付けていたので大変です。この3年でどうやって技術ばらしを覚え、iQUAVISを使いこなしていったのか、振り返ってみたいと思います。
目標は3年後にはアプリケーションエンジニアとしての独り立ちすることです。それに向けた行動は多々ありましたが、ここではやったこと4つについて振り返ってみます。
配属された際に真っ先に取り組んだのが基本的な操作方法の理解です。新入社員の育成という観点では、品質や効率化などの考え方、お客様の業務プロセスの理解などから入るのが正しいのでしょうが、モノづくりについての知識が乏しい私の場合は、前提知識の習得よりも、機能を身体で覚えることを優先しました。趣味の自転車やマラソンで身体能力はそこそこ高いと思いますので、その意味でもすんなりと入ってきます。とは言え、iQUAVISの操作トレーニングテキストは、主たる操作のみならず、iQUAVISを開発業務で使いこなすためのコツやノウハウが多く記載されていますので、機能を身体で覚えることと業務知識を頭で理解することを同時に進められたのだと思います。
iQUAVISの操作を理解し始めた頃、「次はデモデータを作成して。テーマは身近にあるデスクトップPC。自分なりに技術ばらしをやってみよう!」との課題が出されました。当然、技術ばらしの価値や手法、数々の事例などのレクチャーは受けたのですが、冒頭にお伝えした通り私は文系ITエンジニアです。モノづくりに関する知識は持ち合わせていないと自負しています。もちろん、会社の研修などで様々な教育は受けてはいるのですが、それでも難しいものは難しいです。
当時は、身近にはあるが、その構造も良くわからないデスクトップPCを技術ばらしするなんて、まともなばらしになるとは思えませんでした。
事実として、デスクトップパソコンがどんなユニットの組み合わせで、そのユニットは何で構成されているか、というハードの知識が網羅的ではなかったため、知っている部分とそうでない部分で、粒度がかなり異なるツリーができました。この時のツリーを見ると4階層程度に詳細化されている個所と、2~3階層程度しか詳細化されていない個所と散在する不格好なツリーとなっています。また、デスクトップPCが持つ機能の展開も難しい。ツリーで考えていくのは至難の業でした。
そんな時、先輩から教えてもらったダイアグラムを使ってみると、書き出した言葉は自動的にツリーの階層構造として整理されますので、とても書き出しやすくなりました。ダイアグラムは伝えたい情報を抽象化した図や関係線などで表現することで、コミュニケーションを図る方法です。iQUAVISでは機能ブロック図・要素ブロック図等が用意されています。私は技術ばらしとはツリー図を使って言葉をMECEに書き出す手法と思っていたのですが、要素ブロック図で実際の構造を整理しながら、そのユニットや部品がどういう機能を持つかを考えていくと、粒度もそろい、機能と構造の紐づけも進みます。
また、単にダイアグラムで記述するだけなく、フレームワークに従って操作することで技術ばらしが進むことに気づきました。このフレームワークは、操作体験会で使われているものと同じで、システムに求める・求められている要求や機能を各種ブロック図に考えやすい順番で、段階的に書き出していきます。ツリーで考えるよりも図で考えた方が分かりやすいですし、何よりも図化したことが自動的にツリー図で表現されていますので、書き出した言葉の関係性をツリーでチェックすることも可能になり、これがすごく良かったです。
お恥ずかしながら作成した技術ばらしツリーと各種データは下図の通りです。やみくもにツリー図だけで技術ばらしをするのではなくフレームワークに沿ったダイアグラムを使うことで、モノづくり経験も知識もない私でも技術ばらしができました。(数式や熱量のFBDシミュレーションは先輩に作ってもらいました)
実際の業務に使えるレベルかはさておき、チームの諸先輩方からは好評いただけたので新人レベルとしては合格点をもらえたものと思います。
今回はやったこと(Y)1、2について振り返ってみました。いかがだったでしょうか。次回は(Y)3、4について振り返りたいと思います。
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