MBSA(Model Based Safety Analysis)とは、システム(複数の機能が複雑に作用するハードウェアやソフトウェアを指す)の安全性(信頼性や保全性なども含む広義の安全性)を評価するための手法です。
対象システムの動作と故障の両方を考慮した記述式モデルや数理的モデルを使って分析や評価を実施します。特にシステムの設計開発段階で安全性を確保し、故障影響を最小限に抑えるために行います。MBSAでは、システムズエンジニアと安全性エンジニアが共通でシステム全体をモデル化し、各コンポーネントやその相互作用を視覚的に表現します。システムの複雑な構造が理解し易くなり、安全性・信頼性・保全性の評価が容易になります。 モデルを用いてシステムの関連部分をシームレスにつなぎ、システムの動作をシミュレーションすることで、異常が発生した場合の挙動や影響を予測します。これにより、設計段階での問題発見が可能になります。
MBSAを適用する事で、システムの統合的な安全性評価を実現し、開発の手戻りや稼働後のリスク・故障、寿命による損失や被害を最小化することができます。文脈によっては、MBSAを各種故障解析手法(例:FHA、FTA、FMEA、マルコフ解析、コモンモード解析など)の全体を指す意図で使用される場合もあります。
MBSAは、主に航空宇宙、自動車、医療機器など安全性が重要な分野で広く利用されます。