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機能、機能展開、機能ブロック図

機能の定義

「機能」を、製品やシステムの中にある「働き」と定義します。「カラクリ」「メカニズム」とも言えると思います。その「機能」「働き」の内容の程度によって、製品やシステムの品質、性能が決まります。また、製品やシステムの中にある部品やユニットが、そうした「機能」「働き」を担っています。ですから、製品やシステムの「品質、性能」と「機能」とは、また「機能」と「部品、ユニット」とは、それぞれ次元の異なる概念と言えます。つまり、「機能」は、製品やシステムの「品質」と「部品」の間に位置づけられる概念ということです。

「働き」とは何かということを、具体的事例を用いて説明します。事例として、ガラス温度計を取り上げます。環境温度を測定するための温度計や体温計などです。下図に、ガラス温度計のモデル図と、ガラス温度計の「機能」を分けたもの、そしてその分けたサブ機能の内容を、それぞれグラフとして示しました。

図1 ガラス温度計の機能モデルとグラフ

「対象の温度を測定する」という全体の機能が、4つのサブ機能から成り立っているということが分かると思います。それぞれのサブ機能とは、グラフで示しているような「働き」のことです。例えば、2番目のサブ機能は、液体の体積を温度に応じて変化させる機能です。液体の体積膨張率が、その機能に関係する物理特性です。3番目のサブ機能では、液体の体積に応じて、液体の上面位置(目盛りのある細管の中での位置)が変化します。体積を位置(長さ)に変換していると言えます。

「対象の温度を測定する」という全体機能の表現では、その働きの「カラクリ」「メカニズム」はあいまいですが、サブ機能まで分けて考えることで、「カラクリ」が明らかになっていることが分かります。 図にありますように、上位の機能とそれを分解したサブ機能を、階層構造で表現することができます。階層構造で表現されたものを「機能展開」と言います。また、機能の構造化とも言えると思います。

階層構造での表現(機能展開)では、全体の整理はできていますが、それだけでは、システム全体の機能(働き)を十分には理解できません。それぞれのサブ機能の関係(入出力関係なのか、並列の関係なのか等)が分からないからです。サブ機能間の関係をフローで表現することで、システム全体の機能を理解できるようになります。

図2 サブ機能間の関係のフロー図

液体温度計の機能展開においては、各サブ機能のグラフを見れば分かるように、サブ機能は直列に繋がっています。最初のサブ機能の出力が次のサブ機能の入力になっており、それが次のサブ機能へも続いているということです。このようなフローで示した図を、一般的によく使われていることばを用いて「機能ブロック図」と呼ぶことにします。 

分けて、整理して、繋げる

システム全体の機能を分けることで、それぞれのサブ機能の意味合いがはっきりとします。機能を「分ける」ことで、分けた各機能を理解できるようになるということです。 分けた機能を、階層構造に「整理」します。機能展開です。どんな機能があるのか、機能の全体像を構造化して示しています。機能ブロック図では、各サブ機能を「繋げて」機能の全体を示します。そうすることで、機能の全体の内容、カラクリを明確に示すことができています。下位の機能に「分け」、機能展開に「整理し」、「繋いで」機能ブロック図を作成することで、システム全体の「機能」を明確に理解することができるようになります。

本記事は、2019年10月から2021年12月に掲載された岡建樹が執筆したコラムを再編成したものです。

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